このたびは寄稿のお誘いをいただきありがとうございます。
高校を卒業して50余年を経て70歳過ぎて同年齢の友人3人と国立市でジャズカフェを始めました。ジャズもコーヒーも料理も好きですがお客様にご満足いただけるものを提供できているか不安もあります。
しかし自分が好きだと思ったことをやればいいとおっしゃって下さった恩師の言葉が常に心にあります。
私の高校時代は今思うに、とにかくいいかげん、中途半端、ちょっとおもしろそうなものがあると手をだし飽きると放り出すという胡散臭い若者でした。
こんな私ですがひとつだけ自慢できることがあります。それは師に出会えたことです。宮内保先生です。漢文の教師でおられましたが、できの悪かった私は授業の内容はまるで覚えていません。ただ一度だけ先生がその日は赤い顔をして教室にきて少し酒臭い息を吐きながらオールナイトで観たヤクザ映画が面白かったと話し始めたのでした。私はその時直感ですがこの人を師にしようと決めたのでした。18歳で卒業してあてもなく北海道をさまよっている時、その時その地に赴任されていた先生を頼りご自宅に泊めていただいたり、先生が紹介下さった競走馬の生産牧場で働かせてもらったのも先生のおかげです。
その後も様々な岐路に立った時には手紙で指南をいただき、子供ができて先生から送られたサクランボが子供の好物で、電話で伝えると以降30余年にわたっておくり続けてくださいました。いつも「好きなことをしたらいいんだ」とおっしゃってくださいました。恩師に出会えたのも武蔵高校に曲りなりにもいられたからだと感謝しています。先生はすでにおられませんが師への思いは生き続けています。


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遮那 正策(23回H組)